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百姓診断士の農楽堂

外資系企業を辞め、百姓を目指す、診断士のタマゴが書くブログ

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林 英亮

Author:林 英亮
「茶林農園」代表。
(代表というか今のところ私以外に従業員はいないのですが。)
農業を通していろんな人を幸せにしたいと思っています。

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ご興味ある方、「いいね!」や「シェア」お願いします。
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2012.05
06
Category : 農業
勉強会のレビューです。

今回は、倉友くんが、家庭菜園誌の「やさい畑」の2011年春準備号の中から「コンパニオンプランツ」 についてまとめて発表してくれました。

コンパニオンプランツとは、ある植物に対してよい影響を与える別の植物のことで、異なる野菜を混植することによって、お互いの生長によい影響を及ぼしたり、害虫や病原菌から野菜を守ったりする効果が期待されます。

倉友くんは肥料や農薬を使用しない「自然栽培」を目指していて、コンパニオンプランツをその栽培に活かしたいと考えているそうです。

コンパニオンプランツとしては、キャベツなどのアブラナ科の野菜にキク科のレタスを混植する方法や、キュウリなどのウリ科の野菜にネギを混植する方法など、さまざまなものが知られています。

しかし、これを実践しているプロ農家さんとなると私はほとんど知りません。(一人は私の師匠、一人は私です。私は試しにやってみたレベルです。)

なぜ、プロ農家さんたちにコンパニオンプランツが普及していないか。

その理由としては以下の三つが考えられます。

一、多くの場合作業効率が悪くなる。
二、効果が見えにくい。
三、コンパニオンプランツの働く仕組みをよく知らなければ意味がない場合がある。

例えば昨年、私はトマトにバジルをコンパニオンプランツとして混植しました。
「トマトとバジルを混植すると互いの味を良くする」という情報を得たからです。

しかし、結果は「?」でした。

まず、無農薬で栽培したのですがトマトもバジルも害虫にかなり食べられました。

また、幸運にも害虫の被害がなく収穫できたトマトとバジルはとても美味しかったのですが、これがコンパニオンプランツの効果かと問われれば、「分からない」というのが正直なところです。
(効果が「味」のように曖昧なものでなくても農業では多くの外部条件の影響を受けるので、よい結果が得られてもそれがコンパニオンプランツの効果だと断定するのは難しいと思います。)

さらに、兄師匠曰く、
「トマトとバジルの混植で期待される効果は、夏場に他のエサがなくなったヒメハナカメムシ(トマトの害虫であるアブラムシやコナジラミの天敵)がバジルの花に集まり、それがトマトの害虫を減らすことだよ。で、バジルの花を咲かせる必要があるからバジルは収穫できないね。」
だそうです。そんな仕組みだったとは全く知りませんでした。(というか私が期待していた効果とも違う!)

トマトの中にバジルを植えていく作業はかなり手間でしたが、こうして無駄な努力に終わったのです。

ただ、
「コンパニオンプランツは、その効果の得られる仕組みをよく知れば作業効率をあまり悪くせずに利用できる場合もある」
というのが兄師匠の意見。

コンパニオンプランツについては多くの家庭菜園の本に紹介されています。

しかし、その効果が得られる詳しい仕組みについては書かれていない場合がほとんどです。(たぶん家庭菜園向けの本なので専門的なことや難しい話は割愛しているのでしょう。)

どこかに詳しい説明があるコンパニオンプランツの本はないですかね。。。
2012.05
03
Category : 農業
勉強会のレビューです。

今回は山本くんが
「ぼくはお金を使わずに生きることにした」
マーク・ボイル
を発表してくれました。

「お金を全く使わない生活」というと「社会から隔絶された自給自足の生活」を思い浮かべるかもしれませんが、筆者は自分で日々の生活に必要なものを作るのはもちろん(ペンを買うお金も使えないのでキノコでペンを作ったとか)、いろいろな人と関わることで、この「金なし生活」を実現させたとのこと。例えば「住む場所」は農園で週3日のボランティアをすることで提供してもらったそうです。また、その他のものも「フリーサイクル」というインターネットを使った物々交換のようなサイトで調達したり、インターネットを通じて知り合った彼の仲間に作ってもらったりしたそうです。

私は発表を聞いて、この「金なし生活」そのものを評価する気持ちにはなれませんでした。

なぜなら、筆者はこの「金なし生活」をおくる準備にお金を使っているし、「金なし生活」で一生を終えることもないだろうし、本書の印税でお金を手にするのであろうから、です。

しかし、筆者の目的は「金なし生活」をおくることではなかったのだと思います。

筆者は一年間全くお金を使わない生活をしてみせることで必要以上に「お金」に価値をおく現代に一石を投じているようです。

きっと、筆者はこの「金なし生活」を通して、
「お金<<<<<<<<<人間関係」
ということを証明してみせたのではないかと思います。

もちろん、現代を生きる私たちにとって「お金」は必要です。

お金は「欲望の二重の一致」を解決するために導入されたそうです。
(例えば、魚を持っている人が野菜が欲しい場合。野菜を持っている人が魚を欲していれば物々交換が成立します。しかし、野菜を持っている人が魚でなくてお酒を欲しい場合には交換は成立しません。この時、「お金」が存在すれば、魚を売ってお金にして、そのお金で野菜を買うことができます。野菜を売った人はそのお金を使ってお酒を買うことができます。)

また、お金は腐らないので「貯蓄」することができるという利点もあります。

ですが、お金そのものは「手段」であって「目的」ではありません。
そのことを勘違いしてしまうことが現代の生活では時として見られるように思われます。

さて、本書の中で筆者が金なし生活をおくる上でのルールを述べているそうですが、その中で山本くんが大切だと感じたのが次の二つ。

「ペイ・フォワード」と「尊重」。

「ペイ・フォワード」とは直訳すると、「次の人に払ってくれ」ということ。

自分が人に何かしてあげた場合、その対価を自分が受けとるのではなくて、その対価を別の人にあげて下さい、ということだそうです。

(「いいことのネズミ講みたいなもんですね!」と私が発言したら「それ分かりやすい!」という人と私の表現力の乏しさに呆れる人がいました…)

そういうことをみんなが実行していければ幸せな世の中になりそうです。

「尊重」とは、たとえ自分が「金なし生活」をしていても普通にお金を使う生活をする人のライフスタイルも尊重しよう、ということらしいです。

さて、長くなりましたが、今回の勉強会で私が心に深く刻んだことは、

「お金<<<<<<<<<人間関係」

ということです。

「お金は裏切らない」という言葉を聞くことがありますが、厳密にはそれは間違いです。
ハイパーインフレーションにでもなればお金は紙くず同然になります。

一方、人間関係は「裏切られた!」と思うことがあっても、それは何かの間違いだったり何か深い理由があったりで、本当に裏切られることはほとんど無い、と考えるのは甘いでしょうか…。
2012.05
02
Category : 農業
夏野菜の育苗やホウレン草の収穫、夏野菜の植え付け準備などに追われているこの頃。

それでも勉強会は毎週行っていて、気が付けば勉強会のレビューが数週間分たまってしまいました。

さて、今回は徹さんが
「貨幣の思想史」 内山 節
を発表してくれました。

本書の中では「価値」には「使用価値」と「交換価値」があると説明していて、今回はこの二つの「価値」について特に注目して勉強会が行われました。

「使用価値」とは交換する価値は低いが使うことに主な価値があるもの。
例えば「水」。
現代ではペットボトル入りの水なんかも売られていて、私もたまに買いますが、基本的に水資源が豊富な日本では蛇口をひねればタダ同然で手に入るもの。でも、無くては生きていけないほど有用性の高いものです。

「交換価値」とは逆に使うことに直接的な価値はないが他のものと交換するときに高い価値をもつもの。
例えば「宝石」。
宝石そのものには使い道はほとんどないですが、高価な宝石であればそれと交換できるものはたくさんあります。

ほとんどのものが「使用価値」と「交換価値」の両方をもっていて、どちらかの価値が高く、どちらかの価値が低いように思われます。
(その中で、「貨幣」は純粋に「交換価値」をもつものでしょうか。)

そして、この「使用価値」と「交換価値」が一致しないところが現代の資本主義の歪みとして現れているそうです。

言い換えれば、現代では何でもお金で換算して「価格」によってそのものの「価値」が決まってしまうような錯覚を起こしている、ということです。

「使用価値」が過小評価されている、ということでしょうか。

確かに、同じような商品が並んでいたら「価格」の高い方が「いいもの」のように感じることがあります。

「旬の野菜」は美味しい(使用価値が高い)けれど、値段は安い(交換価値は低い)。
さて、「いいもの」はどちらなのでしょうか?

筆者は本書の最後に、
「私たちが創造しなければならないものは、使用価値を実体化しうる関係であり、そのことをとおして貨幣を実体化しうる関係を縮小していくことであろう」
と述べているそうです。

例えばこれを農業に当てはめると、農産物の奥に隠れた情報やストーリーを生産者と消費者で共有することによって、それまで見えなかった価値が実体化する、ということでしょうか。

ワインには「垂直」と呼ばれる飲み方があるそうです。それは、同じワイナリーのワインを年を追って飲み比べる楽しみかただそうです。
ワインは出来のいい年もあれば悪い年もあります。「垂直」によってその年に想いをはせながら、その違いを楽しむのだそうです。

茶林農園の野菜もそんな風に楽しんで頂けたら最高ですね。

最後に、農業というものは(農業だけではないですが)、一般的に使用価値のあるものを売って貨幣という交換価値を受けとる仕事です。

でも、「美味しかったよ!」という言葉を頂ければ、もしくはFacebookなどで「こんな風に料理して食べたよ!」とか何かしらの反応を頂ければ、同じだけの貨幣を受け取ったとしても反応がない場合に比べて喜びは断然大きくなります。

こういう関係性そのものにも十分「価値」は存在すると感じる今日この頃です。
2012.04
17
Category : 農業
勉強会のレビューです。

今回は大和さんが、
「ここが違う!女が買うモノ 買わないモノ?」
櫻井秀勲×川北義則
という本を発表してくれました。(心理テストつきで。)

いつもと感じが違いますが、「農業とどう関係がある?」と思ってはいけません。
農産物を購入する方の中心が女性であることを考えると、女性の心理を理解することは農家にとっても大切なことです。

大和さんの説明によると現在は男性型社会から女性型社会へと転換しているそうです。

ここでいう男性型社会とは社会や経済が「成長する時代」。男性型社会では「文明」の発達が中心なんだそうです。

一方で、女性型社会とは「成熟した社会」。「文化」が花開くときだそうです。

現在は女性型社会ですか。どうりで世の女性方はお強いわけです。そして世の男性が逆に女性的になってきているような気がするのもうなずけます。

ということで、本書では女性の心理と購買パターンを分析しているようです。

女性の心理を表すキーワードは、
「見た目重視」・「身近な同性と比べたがる」・「防御型(自分や家族を守ろうとする心理)」・「虚栄心」など。

つい自分の奥さんを思い浮かべてしまいました。

また、女性の購買への決め手となるキーワードと手法のポイントが次の通り。

売れるキーワードの「3K」
「カワイイ」・「カッコイイ」・「キモチイイ」

手法の「5K」
「近距離」・「感動」・「簡単」・「環境」・「健康」

茶林農園のキーワードである「感動」がここで登場しました!

この勉強会の最中に前の会社のイタリア人上司のことを思い出しました。

「奥さんとは上手くいってるかい?
いいか。毎日のようにプレゼントをあげることが大切だ。
高価なものである必要はない。ちょっとした花でも手紙でもいい。
男はそんなものより実用的な『イイ』モノを年に一度でももらった方が嬉しいと感じるけど、女性は違う。回数が問題だ。ちょっとしたモノを数多くあげた方が確実に愛情が伝わる。」

なるほど。男と女は違うなぁ、と思ったのを覚えています。(ちなみにその話を奥さんにしたら「イイものを数多くもらった方が嬉しいよ!」と言われましたが…)

いやぁ、農業うんぬんを抜きにして今回の勉強会はとても興味深かったです。
でも、女性の心理って男性から見るとやはり難しいです…

最後に大和さんがメンバーに対して心理テストをしてくれました。

「あなたは牛、馬、羊、ライオン、サルを連れて砂漠の真ん中にいる。オアシスまで数百キロ。お供の動物を不要と思われるものから一頭ずつ処分して何とか生き延びてオアシスにたどり着かなければならない。あなたは牛、馬、羊、ライオン、サルをどの順番で処分していくだろうか?」

テストの答えを知りたい方はネットで検索するかコメントするかメールして下さい。

うちの家族にも出題してみましたが、男性は論理的に、女性は直感的に答えるような気がします。
2012.04
09
Category : 農業
勉強会のレビューです。

今回は大西くんの発表で、
プロに教わる野菜づくり成功の法則 / 加藤 義松 著
について。

大西くんは兄師匠のもとでスタッフとして昨年から働き始めました。
もともとは違う業界で働いていた大西くん、農業の基礎を固めたいと思って本書を選んだそうです。

私も違う業界から農業の道へ飛び込んだ人間なので、彼の気持ちはよく分かります。

本書では、「成功の法則」として大きく次の3つを挙げています。

法則1
「なかなか上達しないのは勘違いだらけの野菜づくりをしているから」

例えば肥料のやりすぎ。野菜だってメタボに育ててはいい野菜はできません。肥料の種類や量、時期を考慮しないと。
また、「化成肥料で野菜をメタボにしてはいかん!うちは堆肥をやってるから大丈夫!」と何年も堆肥だけを施肥して微量要素の肥料分が足りなくなって失敗する例も聞いたことがあります。

野菜づくりは人のマネをしていればある程度のものができますが、論理もなにも知らなくてマネばかりしているとこういう失敗に陥る、ということでしょうか。

法則2
「だいじなのは基本と総合力。成功の近道は『栽培力チャート』で自分の弱点をしること」

本書では、「土づくり」「菜園計画と種苗選び」「肥料」「病害虫対策」「道具と資材」の5項目のチャートを作り、自分の総合力や弱点を知ることを奨めています。

農業で知っておかなくてはいけないこと、知っておいた方がいいこと、は本当に多岐にわたります。そしてそれらの総合力と天候などの環境パラメータの気まぐれの結果として収穫できる野菜の質が決まってきます。
そういう意味ではこういうチャートも役に立つと思いました。

ただプロ農家としては、この他にも経営管理やマーケティング、販売などの知識も必要になると思います。
本書は家庭菜園をする方を対象にしているので「生産技術」に重点をおいているのでしょう。

法則3
「手をかけるべきところ、かけなくていいところがある。ここで差がつく野菜別、栽培のポイント」

この法則の章では野菜の品目別に栽培のポイントを挙げています。

勉強会では、農家の立場からの「まとめ」として、

「これらの基本知識、基本技術、経験をもとに、いかに先を見越した計画をたて、かつ突発的な問題に対していかに優先順位をつけて作業できるか」

が重要だという話になりました。

うーん。大変だ。

物事をクリスタルクリアーに整然ととらえられるキレる頭が必要です。

最後に、農園スタッフとしての立ち位置、方向性に悩む大西くんがメンバーに「あなたが求める従業員は?」と題してアンケートをとりました。

「協調性」と「独創性」
「現場管理」と「営業活動」
「既存顧客管理」と「新規顧客管理」

それぞれどちらに重きを置く従業員が欲しいか?と。
選択項目に彼の悩みがありありと現れている気もしますが…。

あなたが農園の社長ならどんな従業員が欲しいですか?