勉強会のレビューです。
今回は山本くんが
「ぼくはお金を使わずに生きることにした」
マーク・ボイル
を発表してくれました。
「お金を全く使わない生活」というと「社会から隔絶された自給自足の生活」を思い浮かべるかもしれませんが、筆者は自分で日々の生活に必要なものを作るのはもちろん(ペンを買うお金も使えないのでキノコでペンを作ったとか)、いろいろな人と関わることで、この「金なし生活」を実現させたとのこと。例えば「住む場所」は農園で週3日のボランティアをすることで提供してもらったそうです。また、その他のものも「フリーサイクル」というインターネットを使った物々交換のようなサイトで調達したり、インターネットを通じて知り合った彼の仲間に作ってもらったりしたそうです。
私は発表を聞いて、この「金なし生活」そのものを評価する気持ちにはなれませんでした。
なぜなら、筆者はこの「金なし生活」をおくる準備にお金を使っているし、「金なし生活」で一生を終えることもないだろうし、本書の印税でお金を手にするのであろうから、です。
しかし、筆者の目的は「金なし生活」をおくることではなかったのだと思います。
筆者は一年間全くお金を使わない生活をしてみせることで必要以上に「お金」に価値をおく現代に一石を投じているようです。
きっと、筆者はこの「金なし生活」を通して、
「お金<<<<<<<<<人間関係」
ということを証明してみせたのではないかと思います。
もちろん、現代を生きる私たちにとって「お金」は必要です。
お金は「欲望の二重の一致」を解決するために導入されたそうです。
(例えば、魚を持っている人が野菜が欲しい場合。野菜を持っている人が魚を欲していれば物々交換が成立します。しかし、野菜を持っている人が魚でなくてお酒を欲しい場合には交換は成立しません。この時、「お金」が存在すれば、魚を売ってお金にして、そのお金で野菜を買うことができます。野菜を売った人はそのお金を使ってお酒を買うことができます。)
また、お金は腐らないので「貯蓄」することができるという利点もあります。
ですが、お金そのものは「手段」であって「目的」ではありません。
そのことを勘違いしてしまうことが現代の生活では時として見られるように思われます。
さて、本書の中で筆者が金なし生活をおくる上でのルールを述べているそうですが、その中で山本くんが大切だと感じたのが次の二つ。
「ペイ・フォワード」と「尊重」。
「ペイ・フォワード」とは直訳すると、「次の人に払ってくれ」ということ。
自分が人に何かしてあげた場合、その対価を自分が受けとるのではなくて、その対価を別の人にあげて下さい、ということだそうです。
(「いいことのネズミ講みたいなもんですね!」と私が発言したら「それ分かりやすい!」という人と私の表現力の乏しさに呆れる人がいました…)
そういうことをみんなが実行していければ幸せな世の中になりそうです。
「尊重」とは、たとえ自分が「金なし生活」をしていても普通にお金を使う生活をする人のライフスタイルも尊重しよう、ということらしいです。
さて、長くなりましたが、今回の勉強会で私が心に深く刻んだことは、
「お金<<<<<<<<<人間関係」
ということです。
「お金は裏切らない」という言葉を聞くことがありますが、厳密にはそれは間違いです。
ハイパーインフレーションにでもなればお金は紙くず同然になります。
一方、人間関係は「裏切られた!」と思うことがあっても、それは何かの間違いだったり何か深い理由があったりで、本当に裏切られることはほとんど無い、と考えるのは甘いでしょうか…。